原爆災害

內容簡介

1945年8月，広島と長崎を壊滅させた原子爆弾による被害の実像を把握することは極めて困難かつ重要な主題である．原爆災害の実態と被爆者の受難をどう見るべきか．今なお爪痕を殘す被爆の全體像を求めて，物理・醫學・社會科學各分野での専門家を結集した労作『広島・長崎の原爆災害』の普及版として刊行．國民必攜の書．

1945年８月６日，ヒロシマの原爆で亡くなった人は何人かと問われて，広島市民でも思いの外正確に答えられないことを，広島の被爆問題研究者が話してくれました．実は，被爆當日から昭和20年までの死亡者まで含めて十三，四萬人とみなすのが，長らく広島市が取ってきた數字ですが，二十數萬人と答える人が非常に多いとのことです．

甚大なる被害ゆえにより大きな數字を選ぼうという心理なのか，そもそも基本的な知識の欠落と見るべきなのか，議論は分かれるでしょう．そして，そもそも數字が問題ではない，あの日，非業の死を遂げていった一人一人の存在をいかに他人事ではなく考えられるかが肝要なのだという當然のお考えもあるでしょう．

さて今年は被爆60年．原爆投下の年に生まれた人が還暦に達するという時間は流れました．今，60年前のできごとを若者たちにどう理解してもらうことができるでしょうか．

ヒロシマ・ナガサキは世界でも知られています．この間，イラク戦爭關係の報導でも少なからぬイラク人が日本への原爆投下を知っていました．また，観光旅行先で，言葉を交わした海外の人からヒロシマ，ナガサキという言葉を聞いた経験をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう．ただ，被爆の慘狀についてその外國人たちが知悉しているわけではないはずです．その外國人たちに，日本人の一人として，原爆について說明するように頼まれたら，私たちは（日本語でよいのですが）何を語れるでしょうか．

1979年，『広島・長崎の原爆災害』という本が岩波書店より刊行されました．物理學・醫學・社會科學の総力を挙げて，原爆が二つの都市をいかに壊滅させ，人體に決定的な損傷を與えたのかを徹底的に明らかにした，記念碑的な刊行物であり，それから二六年経過した現在でも同書の水平を超える書物は刊行されていません．本書は，B５版514頁というあまりにも大部な『広島・長崎の原爆災害』のエッセンスをより広范な読者に提供するために，飯島宗一氏が獨力で執筆した本です．

原子爆弾の構造と特質，二つの都市が受けた被害の実態，原爆が人體に與えた影響，被爆體験の継承等々，今も爪痕を殘す原爆災害の全體像について最も平明に正確にまとめた本です．外國人にも日本の若い世代にも，原爆問題について話しかけていただくときには，きわめて有益ですので，ぜひお読みいただきたいと思います．

圖書目錄

１ 1945年８月広島・長崎

広島被爆す／三日後長崎も

２壊滅した街――広島

行政・文化の中心都市／被爆直前の広島市街／爆風と焦熱と／広島の被爆人口／広島での死者／餘熱と灰燼のなかで／猛火をのがれて／死者を焼く煙

原爆災害

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