今ひとたびの戦後日本映畫

今ひとたびの戦後日本映畫

《今ひとたびの戦後日本映畫》是岩波書店出版的圖書,作者是川本三郎。

基本介紹

  • 中文名:今ひとたびの戦後日本映畫
  • 作者:川本三郎
  • 出版時間:2007年7月18日
  • 出版社:岩波書店
  • 頁數:314 頁
  • ISBN:9784006021252
  • 裝幀:文庫
  • 叢書:岩波現代文庫·文芸
內容簡介
昭和20年代,映畫黃金期における數多の名作は何を描こうとしていたか.原節子,田中絹代,高峰秀子,なぜ女優たちはかくも輝いていたのか.彼女たちを輝かせたのは,死者たちへの鎮魂の思いではなかったか.スクリーンに映し出された戦爭の影を瑞々しい感覚で読みとり,手觸りの戦後日本を描き出した秀作. - 本書の刊行を準備している時に「ゴジラ」(昭和29年)をはじめて見ました.予想はしていたものの,これほどまでに真摯な戦爭映畫であるということに感慨を覚えつつ,本書の該當部分を読みふけりました.川本氏曰く,「『戦爭』というより『戦災』『戦禍』の映畫なのだ」という評価や「(海へ消えていった)ゴジラは,戦沒兵士たちの象徵ではないか」との批評に思わず念りました.そして昭和29年という年にこの映畫に出會えた年輩の映畫ファンの方々を少しく羨ましく思いました. さて読者の皆様がお...(展開全部) 昭和20年代,映畫黃金期における數多の名作は何を描こうとしていたか.原節子,田中絹代,高峰秀子,なぜ女優たちはかくも輝いていたのか.彼女たちを輝かせたのは,死者たちへの鎮魂の思いではなかったか.スクリーンに映し出された戦爭の影を瑞々しい感覚で読みとり,手觸りの戦後日本を描き出した秀作. - 本書の刊行を準備している時に「ゴジラ」(昭和29年)をはじめて見ました.予想はしていたものの,これほどまでに真摯な戦爭映畫であるということに感慨を覚えつつ,本書の該當部分を読みふけりました.川本氏曰く,「『戦爭』というより『戦災』『戦禍』の映畫なのだ」という評価や「(海へ消えていった)ゴジラは,戦沒兵士たちの象徵ではないか」との批評に思わず念りました.そして昭和29年という年にこの映畫に出會えた年輩の映畫ファンの方々を少しく羨ましく思いました. さて読者の皆様がお奨めの日本映畫とは何でしょうか.近年も日本映畫がなかなか健闘していることを耳にしますが,昭和20~30年代に日本映畫の黃金時代が存在していたことは誰もが否定できないのではないでしょうか.「東京物語」「浮雲」「流れる」「日本の悲劇」「悲しき口笛」「ゴジラ」「青い山脈」…….あの時代に多くの名作が生み出されたのには理由があるのでしょうか.そして原節子,田中絹代,高峰秀子,山田五十鈴,杉村春子,乙羽信子,香川京子,望月優子等々の美しく個性的な女優が登場した背景には何か理由があったのでしょうか.「あとがき」で著者は小津安二郎の「麥秋」「東京物語」を例にとりながら,どちらの作品にも突出することはないが,戦爭の影,死者の影が存在しており,死者を意識したときに作品としての緊張が生まれたのではないかと示唆しています.続けて川本氏は述べています.戦後という時代は「生きていてよかった」「死んだ人たちに申訳ない」という二つの気持ちを抱えながら人々が必死に生きてきた時代だといっていいだろう.戦後日本映畫が數多くの傑作を生んだのは,この緊張を作品の基底に持ち続けたからである,と.個々の作品への強い愛惜と昭和19年生まれの自身の育った時代を知りたいという痛切な願い,長年の映畫批評家としての蓄積を存分に生かして編まれた本書は,戦後日本映畫にこだわりを持つ人はもちろん,戦後という時代に多様な觸覚を張り巡らしたいという広范な読者にとって申し分のない読み物となっています.戦爭未亡人や復員兵の苦悩,戦後民主主義の陰影,思いの他豊かだった戦時期と戦後の板挾みになる群像,貧困や家族の闇の物語,ロマンス等,あの時代ならではの主題を読み解き,監督論,俳優論を織り交ぜて一冊が構成されています.「解說」で井波律子氏は次のように書いています. 「鎮魂曲から嬉遊曲へ.本書には戦後日本映畫の軌跡が,個々の映畫に登場する人物のイメージ,さらにはそれを演じた女優や男優のイメージを通して,実にいきいきと具體的に描きあげられている.まさに川本三郎にしか書けない『生きた戦後日本映畫史』である」.本書のご一読を多くの皆様にお勧めする次第です. 本書は『世界』に連載された(1992年4月~93年7月號)後に1994年3月,岩波書店から刊行されました.後に中公文庫に収録され,今回岩波現代文庫の一冊として刊行されることになりました.川本三郎(かわもと さぶろう) 評論家.1944年東京に生まれる.68年,東京大學法學部卒業.91年『大正幻影』(新潮社/ちくま文庫)でサントリー學芸賞,97年『荷風と東京』(都市出版)で読売文學賞,2003年『林芙美子の昭和』(新書館)で毎日出版文化賞受賞.岩波現代文庫では『荷風好日』『荷風語録』(編書)を刊行.映畫批評家としての活躍も著名で,映畫關係の主著には『銀幕の東京』(中公新書)『ロードショーが150円だった頃』(新書館)等がある.

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