《経験と場所》是岩波書店出版的圖書,作者是上田閒照
基本介紹
- 中文名:経験と場所
- 作者:上田閒照
- 出版時間:2007年12月14日
- 出版社:岩波書店
- 頁數:354 頁
- ISBN:9784006001803
- 裝幀:文庫
- 叢書:岩波現代文庫·學術
內容簡介
西田哲學における思索の道とは何か.著者はその基本思想が純粋経験/自覚/場所という連關で構成されることを明らかにする.「ここでこうして居る」という人間存在の基本態である経験から自覚の立場へ,そして私たちにとっての「世界」を究明する場所論への転回を読み解きつつ,著者獨自の「経験と場所」の哲學を構築する. - 上田閒照先生の哲學コレクション全5冊は,多くの読者の方から好評をいただき,第 I 巻『宗教』が10月に刊行されました.このたび第II巻『経験と場所』をお屆けいたします.人間存在が定かでなくなっているなかで,西田哲學における思索の道は私たちを何處に導くのでしょうか.本書の「あとがき」で著者は次のように書いています. 「「経験」も「場所」も日常的に慣用されている言葉であり,また概念としても思想や哲學において広く用いられている.いずれも,「ここで,こうし...(展開全部) 西田哲學における思索の道とは何か.著者はその基本思想が純粋経験/自覚/場所という連關で構成されることを明らかにする.「ここでこうして居る」という人間存在の基本態である経験から自覚の立場へ,そして私たちにとっての「世界」を究明する場所論への転回を読み解きつつ,著者獨自の「経験と場所」の哲學を構築する. - 上田閒照先生の哲學コレクション全5冊は,多くの読者の方から好評をいただき,第 I 巻『宗教』が10月に刊行されました.このたび第II巻『経験と場所』をお屆けいたします.人間存在が定かでなくなっているなかで,西田哲學における思索の道は私たちを何處に導くのでしょうか.本書の「あとがき」で著者は次のように書いています. 「「経験」も「場所」も日常的に慣用されている言葉であり,また概念としても思想や哲學において広く用いられている.いずれも,「ここで,こうして,いる」という素樸にして原初的な事態から始まって,「人間として生きる」ことの自覚における基礎的な言葉である.そのさまざまな用法における含意に留意しつつ,「人間として生きる」ことの自覚における基礎的な言葉である.そのさまざまな用法における含意に留意しつつ,「人間として生きること」の基礎的なあり方の究明が私の長い間の課題であったが,その際,西田哲學の基本をなす「純粋経験/自覚/場所」という思索の動的な連關が私にとって究明の導きとなっていた.本書は著者が西田哲學の基本思想を純粋経験/自覚/場所という連關で構成されていることを明らかにしており,「ここで,こうして,いる」という人間存在の基本態である経験から自覚の立場へ,そして私たちにとっての「世界」を究明する場所論への転回を読み解きつつ,著者獨自の「経験と場所」の哲學を平明に構築しているところに核心があるようです.ところで本書に示された著者の立場はいかなる學問的遍歴の下に築かれたものでしょうか.「あとがき」で著者は次のように書いています. 本書において「経験」と「場所」という二つの主題のもとに収められた諸論文は,西田の思索の根本を理解・解釈しようとして難渋した長年の試みから生まれたものである.長年のと言ったが,西田を真剣に読むようになったのは四十代後半から,集中的には五十歳を超えてからであった.哲學を學び始めて,カント(卒論)ヘーゲル(大學院),やがてハイデッガーおよびヤスパースに關心が動き,それを跳躍台のようにして,三十代後半はドイツ・マールブルク大學への留學を機に數年の間マイスター・エックハルト研究に専念した.その研究の成果が私の初めての著作としてドイツで出版されたのが一九六五年の始めであった.このようにドイツの近・現代および中世末期の哲學・宗教思想の勉強と研究を続けてきた私が,西田哲學およびそれと結びついて鈴木大拙の禪思想にいわば本気で取り組み始めたのは,一九七○年冬學期と七一年夏學期マールブルク大學客員教授として毎周続けたドイツ人學生への講義において東西の思索の対照ということが避けられない問題になってきたことが決定的な機縁であった.そのような経過であったので,私にとって,東西の「間」が始めから西田哲學を理解し解釈する場所であった.しかもその東西という橫の「間」に,西田が身を置き私自身も身を置いていた「宗教と哲學」の縦の「間」が交わり,この二つの「間」の重なりが西田哲學に取り組む私の場所になった.その場所の底から,「人間存在とは何か」,「私たちが人間として生きるとは,どういうことか」という問が大きく現れ,深くなってきた.そのような狀況のなかで西田のテクストを読み続けたが,容易に理解できるものではなかった.しかし理解に難渋した経験は,卻って西田の思索への親しみとなり,西田の思索にとって何が核心の問題であったのか,西田の思索を動かして止まなかったものが次第に私自身の問題になってきた」以上の文章から,著者は極めて長い射程と豊かな構想力の下に西田哲學の探究を自らの學問的課題として設定してきたことが理解できます.そのような準備の下に,本書で西田哲學の解明がどのようになされているのかをじっくりと味わっていただければ幸いです.本書は岩波現代文庫のために新たに編集された全五巻の著作集成です.第 I 巻の『宗教』もご一読いただきますようお願い申し上げます.岩波現代文庫·學術180 上田閒照(うえだ しずてる) 1926年東京生まれ.京都大學文學部哲學科卒業.京大名譽教授.専攻=宗教哲學.主著に『M・エックハルト研究』(獨文)『西田幾多郎を読む』『西田哲學への導き――経験と自覚』『大拙の風景――鈴木大拙とは誰か』(共著)『ことばの実存』『私とは何か』『宗教への思索』『実存と虛存――二重世界記憶體在』『上田閒照集(全11巻)』がある.