《アリストテレス倫理學入門》是岩波書店出版的圖書,作者是J. O. アームソン
基本介紹
- ISBN:9784006001254
- 作者:J. O. アームソン
- 出版社:岩波書店
- 出版時間:2004年7月16日
- 頁數:250
- 裝幀:文庫
- 叢書:岩波現代文庫·學術
內容簡介
生き甲斐のある人生を送ることをギリシアでは「エウダイモニア」とよんだ.この問題を體系的に追究した『ニコマコス倫理學』の重要な論點を,従來の翻訳や解釈による誤解を解いてわかりやすく解説する.著者はオックスフォード大學名譽フェローの分析哲學者.アリストテレスをこれから読もうとする読者のための最良の手引き. - アリストテレスは,哲學だけではなく自然科學,生物學,心理學,論理學,政治學,倫理學,芸術などの分野にまでに及ぶ広範囲な仕事を殘した知の巨人.しかし,「文體はきわめて簡潔で,思わせぶりな技巧や感情の濕りがない.それは読者に読まれることを前提してなかったことから,アリストテレスと同じように自分自身で考える人にとってのみ意味と有効性をもつのである.その點でアリストテレスの周りには現在に至るまで死屍累々たる誤解の山がある」(『岩波哲學・思想事典』)という哲...(展開全部) 生き甲斐のある人生を送ることをギリシアでは「エウダイモニア」とよんだ.この問題を體系的に追究した『ニコマコス倫理學』の重要な論點を,従來の翻訳や解釈による誤解を解いてわかりやすく解説する.著者はオックスフォード大學名譽フェローの分析哲學者.アリストテレスをこれから読もうとする読者のための最良の手引き. - アリストテレスは,哲學だけではなく自然科學,生物學,心理學,論理學,政治學,倫理學,芸術などの分野にまでに及ぶ広範囲な仕事を殘した知の巨人.しかし,「文體はきわめて簡潔で,思わせぶりな技巧や感情の濕りがない.それは読者に読まれることを前提してなかったことから,アリストテレスと同じように自分自身で考える人にとってのみ意味と有効性をもつのである.その點でアリストテレスの周りには現在に至るまで死屍累々たる誤解の山がある」(『岩波哲學・思想事典』)という哲學者です. なぜ,誤解が生じたのか.本書の著者アームソンは,『ニコマコス倫理學』に関する誤解についてその原因を3つあげています(ただし英語圏の読者を前提にしている). 1.現代の人間の考え方は,その宗教のいかんにかかわらず,ユダヤ=キリスト教文化の伝統に影響を受けているが,紀元前4世紀の哲學者アリストテレスはこの影響を一切受けていない.そのためアリストテレスの概念は現代人にはなじみがないので誤解がおこりやすい. 2.前記1.の問題とも関連するが,翻訳のもたらす不明瞭さが誤解を生む.ローマのキケロはギリシア哲學をラテン語で記述する際にたくさんの新語を創作しなければならなかった.たとえば,ギリシア語のPoiotesを翻訳するためにqualitasというラテン語を創作したが,これは英語のquality(質)のもとになったことばとなる.英語への翻訳者はキケロを模倣し,キケロのラテン語をそのまま英語に転寫した.ギリシア語のkakia はラテン語でvitiumと訳され,そこから英語のvice(悪徳)ということばができた.そこから「健康的な食事を楽しまないのは悪徳である」という翻訳が出てくる.ここはviceということばの代わりに,flaw(欠陥)と翻訳すればいいのである. 3.『ニコマコス倫理學』は初めから終りまで首尾一貫して書かれた完成品ではないことからくる問題.おそらくアリストテレスが講義の準備のために書いたノートがあって,のちに編集者がそれらのどれも捨てることができずに編集したために全十巻がぎくしゃくした構成となり難解になっている. 以上,長くなってしまいましたが,こうした誤解の原因を本書はうまく迴避すべく工夫を重ねて書かれています.まったくアリストテレスを読んだことがなくても,『ニコマコス倫理學』の誤解されやすかった重要な論點の中に入っていくことができます. 「いかなる技術,いかなる研究も,同じくまた,いかなる実踐や選択も,ことごとくなんらかの善を希求していると考えられる」(岩波文庫,高田三郎訳)で始まる『ニコマコス倫理學』は,人間は何かよいことのために,価値があると認められる目標のために行動するということが前提になっています.こうした目的をすべて含む包括的最終目的こそが最高善であり,それをギリシア語ではエウダイモニア(eudaemonia)とよびます.このことばは英語では通常happiness(幸福)と訳されます.この訳語ももちろん誤解のもとですが,アームソン先生は見事にエウダイモニアを説明しています. また,本書の日本語訳もわかりやすく,訳注に示されているようにさまざまな工夫がなされています.翻訳者の雨宮健氏は,アリストテレスの引用はすべてギリシア語にあたって日本語に翻訳したそうです.雨宮氏の専門は計量経済學.「ノーベル経済學賞にもっとも近い日本人」といわれ,日本人経済學者のなかでは世界の學術誌に論文が引用された回數は斷然のトップだというスタンフォード大學教授.アメリカの2人の経済學者が受賞した2000年のノーベル経済學賞は,雨宮氏の理論研究に基づくものだったということです(『朝日新聞』2002年11月30日). 本書は『ニコマコス倫理學』の入門書ですが,アームソン先生は「序」で次のように言います.「読者が,これさえ読めばアリストテレスは読む必要がない,と考えないことを望む」.本書を読んで関心を深めることがありましたら,ぜひ岩波文庫の『ニコマコス倫理學』(上,下)もお読みください.